会社概要

COMPANY

代表メッセージ

代表挨拶

代表取締役社長 塩見 均

代表取締役社長
塩見 均

弊社、桃太郎源株式会社は、岡山大学発の「がん遺伝子治療」を開発する会社です。日本人の3人に1人ががんで亡くなる時代を、ぜひとも変えたいとの思いを持ち、開発を進めております。

社名の桃太郎源は、英語名のMomotaro-Gene から来ておりまして、Momotaro=岡山、Gene=遺伝子、つまり岡山発の遺伝子治療を体現した名前であり、日本語の「源」には、geneとの語呂合わせと遺伝子はすべての源であるとの意味を含めております。

弊社の設立は、2007年8月17日ですが、その後すぐに100年に一度というサブプライムローンによる恐慌、リーマンショックが起こり、世界中からリスクマネーがなくなりました。そのため、弊社は通常のバイオベンチャーがおこなうような大型の資金調達は望むべくもなく、地元、岡山を中心に中四国の企業様からのエンジェルマネー(※)を頼りに、27回もの第三者割当増資をおこなって、サバイバルをして参りました。

近年、欧米で遺伝子治療製剤の上市が続き、ようやく遺伝子治療に陽があたりはじめ、弊社も、バイオ専業のベンチャーキャピタルを中心とした資金調達ができましたが、私どもの創生から支えていただきました地元岡山のエンジェル企業の皆様には心より感謝を申し上げたいと存じます。

弊社は、地元の岡山大学からのシーズを、地元の企業のエンジェルマネーにお支えいただき、また国の競争的資金(※)を獲得することで、臨床研究、臨床試験を重ねて参りました。今後も、地元岡山に根付いたバイオベンチャー企業として、岡山から世界へ羽ばたくことを実現すべく、臨床開発に邁進して参ります。ぜひ皆様のご指導、ご鞭撻を引き続きお願い申し上げます。

※エンジェルマネー:創業間もないベンチャー企業に対する地元企業・富裕層等による投資のこと。
※競争的資金:研究者(機関)等を対象に研究開発課題を募り、採択された課題に対して配分される研究資金。

取締役CSO

取締役CSO 公文 裕巳

取締役CSO
公文 裕巳

固形がんに対する遺伝子治療薬の実用化を目指して岡山大学で基礎研究を始めてから22年が経過しました。この間、前立腺がんを対象に、がん細胞を選択的に死滅させる日本初の自殺遺伝子治療を2001年、抗がん免疫を活性化する免疫遺伝子治療を2008年から実施し、安全性と効果を確認しました。これらのアデノウイルスベクター(Adv)を使用する遺伝子治療は、安全性の観点から局所腫瘍内投与が条件となり、全身効果を増強するために2種類の遺伝子治療の併用を次に計画していました。そのような背景もあり、REIC遺伝子との出会いに運命的なものを感じています。REICは、岡山大学で2000年に難波正義名誉教授らが発見した細胞の不老不死化(がん化の前段階)に関係する遺伝子で、ほとんどのがんの発生に関与しています。AdvにREIC遺伝子を組み込んだAd-REICを使用して2003年から動物実験を開始しましたが、その成績は破格で、単独で併用療法よりはるかに高い効果を示しました。

その後、Ad-REICが全く新しい作用機序(小胞体ストレス死)でがん細胞を死滅させ、巧妙な仕組みで抗がん免疫を活性化することが明らかになるにつれて、“21世紀の魔法の弾丸Ad-REIC“を臨床現場に届けることが私の天命であると感じるようになりました。幸い、文科省・2006年度科学技術振興調整費事業をはじめとする国の競争的資金、ならびに桃太郎源社(2007年設立)への岡山県を中心とする企業・個人の方々からの投資をいただき、その後の臨床開発は順調に進展しました。製剤に関しては、前立腺がんに対する臨床研究(2011-14年)で安全性と有効性が確認された第1世代から第2世代となり、臨床試験も前立腺がん(2014年~米国)、悪性胸膜中皮腫(2015年~杏林製薬主導治験)、肝臓がん(2017年~岡山大)へと拡大しています。

ご承知のように、ここ数年でがんと免疫の仕組みの解明が進み、複数の新薬(オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤)が臨床現場に登場して、がんの免疫治療が劇的に進化しています。幸運にも、Ad-REICは新たな作用メカニズムの追加確認とともに、免疫チェックポイント阻害剤との併用により、世界が待望する新規複合免疫療法となる可能性が高くなってきました。引き続きご支援をお願い申し上げます。