ごあいさつ
  21世紀は生命科学の時代といわれ、生命科学、バイオテクノロジー技術が生活・
 産業技術の中心となる時代です。生命科学、バイオテクノロジー技術も「第3世代」
 といわれるゲノム科学の活用の時代に入っており、生命の設計図である遺伝子
 情報とその機能解析をベースに、薬剤や有用物質の開発が進められる時代に
 なっています。

  健康寿命の延伸の前に立ちはだかる大きな壁が 生活習慣病であり、中でも
 「がん」は1980年以降 日本人の死因の第1位を占めています。2005年には32万
 5885人が がんで亡くなり、第2位の心臓病の2倍にも達しています。高齢化の
 進む日本では男性の半数、女性の3分の1が がんに罹患する時代となっていま
 す。今やがんは特別な病気ではなく、ごくありふれた病気であり、「細胞レベルで
 悪いところを早めに診つけて、そこだけを優しく治す」革新的ながん医療の創出に
 国民の期待が寄せられています。

  ゲノム科学の活用の先端である遺伝子治療分野では、世界で上市された製剤
 はごくわずか(中国での2剤のみ)であるものの、研究開発は活発で公的な資金も
 多く投入されています。しかしながら、有望な研究開発(シーズ)が実際の創薬の
 道筋につながるまでには、大きく深い谷があります。創薬はまさに我々人間の生
 死に直接つながる技術であるだけに、ヒトに対して安全で有効であるかの実証が
 事業化のポイントであります。その第一歩であるFIM(First In Man)試験、または
 臨床第1相試験を最低限終えてはじめて、現在 熾烈な世界競争を強いられている
 メガファーマ・製薬企業が検討を開始するというのが現状であります。

  多額の公的競争的資金が投入されて大学で開発された有望なシーズであっても
 事業化に向けての「死の谷」越えのための「橋渡し」を機動的に実施しない限り、
 国民への還元という最重要課題は達成されることはないというのが現実です。私
 達は、リスクをとるベンチャーの担う役割を果たし、かつマネーゲームに巻き込まれ
 ないために、「橋渡し」部分のみの事業化モデルを模索して、「桃太郎源株式会
 社」を設立することといたしました。桃太郎源株式会社は その名の示すとおり、岡
 山の有望シーズを、ひいては中四国の有望シーズを岡山から世界に向けて橋渡し
 することを想定しています。

  その第一歩として、岡山大学で独自に単離・同定された新規のがん抑制遺伝
 子REIC(reduced expression in immortalized cells)を活用して、前立腺がんに
 対するREICのアデノウィルスベクターによる遺伝子治療の実現をめざしています。
 REICは多種類のがんに幅広く適用可能であること、正常の細胞に悪影響を与え
 ることなく がん細胞のみに選択的に細胞死を誘導すること、免疫機能を賦活化
 すること、ならびに究極のがん遺伝子としての がんの予防や新しい分子標的治療
 薬の開発にもつながることなど、がんの治療に要求されるすべての条件を満たす
 夢のがん抑制遺伝子であります。その異常は前立腺がんでは ほぼ100%、近年
 社会問題化している悪性中皮腫のおよそ90%、肝臓がんを含む多くのがんでも
 高率に認められ、多種類のがんに対する幅広い新規標的医療への展開が可能
 です。私達は、まず実現可能性と多彩な臨床応用性を検証し得る先行モデルとし
 て、技術的には現時点で実施可能である「前立腺がんに対するREIC遺伝子発現
 アデノウィルスベクターによる遺伝子治療臨床研究」を実現し、内外の製薬企業
 への橋渡しを実現したいと考えています。

  健康寿命の延伸による高齢化社会の持続的な発展に寄与するために、そして
 世界中のがんに苦しむ人への福音となるように、桃太郎源株式会社の挑戦を
 始めました。皆様のご理解と地域の暖かいご支援をいただきますようお願いいた
 します。

  平成19年8月17日
桃太郎源株式会社 発起人一同



 
Momotaro-Gene Inc.